アパート、マンションを経営して家賃収入を得る大家さん、土地を貸して地代を得る地主さん、借りてくれる人を見つけることが一つ目の関ですが、二つ目の関はきちんと家賃、地代を回収することです。
知人や知人が紹介してくれた者に貸す場合、あるいは、近い親戚や遠縁の者に貸す場合、不動産屋さんを通さないので、初度の仲介手数料が浮いて得をしたように思います。ところが、きちんと法的な事務手続きを踏んでいないので債権債務があいまいでトラブルになることがあります。トラブルを避ける事前策としてA~Dに分類してみました。
【Aパターン 不動産管理会社に委託する】
大家さん、店子さん、管理会社の3者による契約になります。管理会社が賃料の請求、受領を管理してくれますので、大家さんが店子さんに直接文句を言う必要がありません。滞納が続けば、内容証明で請求をかけてくれたり、店子が引っ越しするときには、工務店と連携して敷引きの調整してくれたりします。
デメリットとしては、継続的な契約となるため、毎月賃料の10%程度をマージンとして管理会社に天引きされることです。家賃が10万円であれば、毎月1万円が管理会社のマージンになる勘定です。
トラブルや引越しなどイベントのときのみに大家さんをフォローし、費用発生させる仕組みはまだ殆ど無いようです。
【Bパターン 行政書士に依頼する】
契約書を行政書士に依頼して作成してもらい、かつ、契約の当事者と併記して行政書士に署名してもらい、職印を押してもらうことです。これにより、借りる側、貸す側とも契約書の内容を遵守する意識が高くなります。契約書の作成費用は法律上、大家さんと店子さんが折半ですが、大家さんが負担してあげる方が良いと思います。契約書自体オンデマンドで作成してもらえますので、定型の契約書と異なり、大家さんが気にする所、細かく取り決めたい所など十分に盛込むことができます。法律の制約の範囲内で最大限、大家さん側に有利な契約書を準備することも可能です。
日常的な事側は大家さんと店子さんとで処理していくことが、管理会社に委託する場合と異なります。
賃料の滞納などが発生した場合、契約に関与した行政書士に内容証明で催告をかけてもらいます。店子の引越しの際は、工務店の見積書をもとに敷引き額を決め、後のトラブルを避けるなら、その内容も行政書士に依頼して確認書として残しておくと良いでしょう。
管理会社に比べれば、十分でありませんが、契約締結のとき、内容証明のとき、契約終了時などスポット的に3~5万円くらいの費用発生で済むところがメリットです。
【Cパターン 契約書を自分で作成する】
契約書のサンプルは買うこともできますし、書店でもサンプルの載った本を購入できます。
それらを材料に大家さん自ら契約書を作成し、店子さんと契約締結します。
デメリットは契約の精度が落ちること、当事者間のみの署名のため、ともすれば店子が契約内容を軽んずることです。
メリットとしては、費用がかからないことで、契約書のフォーマット代、本代だけで済みます。しかし、トラブルが発生した場合はその節約した分が吹っ飛んでしまう損失になることも珍しくありません。
【Dパターン 書面契約を結ばない】
口約束だけでは、全てリスクを負う可能性があります。賃料の認識の違いや支払いタイミングはもちろん、賃貸借契約だったのか単なる居候だったのかさえ不確かになる可能性があります。特に、兄弟、従兄弟、甥姪、義理の親戚など、書面の取り決めが何も無く借地、借家することが多いようです。代が変わったりして、当事者が交代するとトラブルに拍車をかけます。
(所 感)
私は、もちろんAパターンが一番だと思います。わがままな店子に言いようにされる大家さん、地主さんは優しい、おとなしい方々が多いのです。
管理会社に委託して10%前後のマージンにより、平和で穏やかで安定した収入の生活が手に入るなら、それが最善であると思います。
何ヶ月もの家賃、地代の滞納で苦しんでいる大家さん、地主さんは早く良い管理会社を選んで委託してくれればと思います。
しかし、どうしてもAパターンは固定費になるので嫌だという方は、次善の策として、Bパターン、Cパターンを考えるべきだと思います。
Dパターンは論外ですが、現実には少なくないようです。
実は論外の論外、つまり、Dパターンよりひどい状況も世の中にはありますが、記さないことにします。